真夏のビーチは家族&ナンパ専用ビーチとガチで泳ぐ人用ビーチに二分すべきだと思う。
ガチビーチはゴーグル着用・太ももまである競泳用水着着用がデフォ。ビキニ?そんな機動力のないもんで夏の戦場(ビィチ)を生き残れるかタワケがッ!みたいな人が主に生息する。
水辺も遠泳用に改造されていて、遊泳禁止のブイまでの距離が嘘だろ承太郎レベルに遠い。25mごとに目印用のブイがプカプカ浮いているから、どれだけ泳いだかも一目瞭然。
ちなみに疲れて浜辺で寝そべるとか言語道断。浜辺はビーチフラッグスとビーチバレー専用なので、休むときはナンパ用ビーチに行かなければなりません。ただし服装はそのままなので、和気あいあいとしたビーチの一角に競泳用水着+ゴーグルの集団(全体的に筋肉質)が溢れて一部異様な空気を醸し出しますが我慢しましょう。小さい子をお連れのお母様方は決して該当集団に接触させないようご注意ください。該当集団は強さを求める者には決して手抜きをしません。少し目を離した隙に愛しいわが子がビリーズブートキャンプをフルで踊れるようになっていても当ビーチは一切の責任を負いませんので悪しからず。あっ!そこのお坊ちゃーん!海に入る前はちゃんと準備運動するんだよー!(ピピーッ)
うわああああん海行きたいよぉぉおお!!!(ジタバタジタバタ)
もち太です!
いやもはや海とかどうでもいいから美味いメシが食いてぇ!!(ガタッ)
湘南の海の浜沿いにね、スゲーうめぇイタリア料理店があるんですよ!今年もまだあるか知らんけど!!
とりあえず一昨年はちゃんとあったもんね!
……しかし場所も店名もはっきりとは覚えていないので、果たして再度行ったところでたどり着けるかどうか……って心配はありますが。
もうねもうね、ボルチーニ茸の良さってのをここで初めて知ったッ!
数種の茸とバターが踊るアルデンテのスパゲティは、メニューを見ただけでも垂涎モノでした。窯焼きリゾットなんて、歯ごたえのある米の向こうに金色の野が見えました。ああ……お米ってこんなに美しい景色の中で育つのね……みたいな!!!その者黒き衣を纏いて金色の野にリゾ立ちで降り立つべし……。
トマトソースとモッツァレラしか乗っていないプレーンピザの味わい深さも、新鮮な魚をマリネしたときのグワッと広がる旨味も、バニラアイス(Notブルマー男)に熱々のエスプレッソをかけて味わうとろけるようなデザートの甘苦さも、今でも忘れられません。
その美味さたるや、海原○山レベルにうるせぇ我が友の舌を唸らせ、「ガクセーはガクセーらしく、旅行先でのメシなんてびっくりドンキーで済ませりゃよくね^^」と言い放った情緒のないアホをも黙らせる素晴らしさでした。料理を一口含んだ瞬間、湘南に来た目的が海でレぬほど遊ぶ<<<<食い気に変わったのもまた衝撃でした。
美味い料理というものは、人間からあらゆる世俗的な煩悩を奪っていくものだなあと思いました。
さて。ちょっと何書いてるかわからなくなってきたので話を元に戻します。
もし真夏のビーチを二分したら、リゾットとギアッチョは間違いなくガチビーチに行くと思う。
ギアッチョは普通の海パン(膝下まであるガード力の高いやつ)で。リゾットはセパレートタイプのボーダー柄水着。サーファーの着てるのみたいなやつです。
「なんかあっちの方でものすごい速さで泳いでる人いるんだけど……」という噂がたったら十中八九リゾットです。海を見ればシチリアーノの血が騒ぐ。ついでに素手で巨大魚を仕留めて帰ってくる漢っぷり。ビーチ中の視線は(ある意味)彼にく・ぎ・づ・け☆
ギアッチョは、泳ぐというよりどっちかというと、浜辺で開催されているビーチフラッグス大会に出て優勝商品の『海の家貸し切り券+スイカ5玉』を取って帰ってくるタイプ。なんという甲斐性。しかしちょっと目を離した隙にスイカ3玉は兄貴が食らうが。OKギアッチョ、ブチ切れるなら今だぜ。
兄貴+ペッシはガチビーチでガチのビーチバレーを楽しむタイプ。ペッシの絶妙なトスと兄貴の鋭いアタックで浜辺は大いに湧くことでしょう。
もちろん恒例の兄貴節も炸裂します。
「あっ……」(ボールを取りこぼすペッシ)
「……おいペッシおめー……。今なんでミスした?ええ?」
「ご、ごめんよ兄貴……今のボールはちょっと追い切れなくて……」
「『追い切れなくて』だァ……?(ゴゴゴゴゴ・・・)
いいやペッシ……おめーは今こう思ったはずだ。『あのボールに追い付けるかは五分五分だ』『だったら今は無理をしないで次で取り戻そう』……違うか?」
「あ、……うぅ……」
「いいかペッシ。俺が怒ってんのはおめーのその心の弱さだ。今がダメなら次頑張りゃあいい、確かにその考えは大切だ。……だがッ!そりゃあ『今』を全力でやり切ったやつの言うセリフだッ!テメェみてえにダメだ無理だでとっとと諦めちまったやつの言える事じゃあねえッ!ぇえッ!?わかるかペッシ!俺の言ってる事がッ!おめーは甘ったれてんだ、マンモーニなんだよッ!俺たちチームの他のやつならッ!例え腕が飛ぼうが脚をもがれようが『もう少しで手の届きそうなボール』を諦めたりはしねェッ!」
『「あ、あ、あ、兄貴ィィイイイイーーーーーッ!」』(ペッシ・その他ビーチ中の漢達の魂の叫び)
ソルジェラは、家族用ビーチのほうでほのぼのビーチバレー。
彼らにとっては、バレーで数々の強豪を打ち倒すよりバレーを用いて二人の息のピッタリさを再確認するほうが大事だからである。
メローネは一人、家族用ビーチで砂に埋まってウフウフしてるよ。いったい一人でどうやって砂に埋まったのか、どうやって自らの体に砂をかけたのか、誰も目撃者がいないミステリー。
たまに股関部に砂タワーを盛って家族用ビーチを阿鼻叫喚に包んでみちゃうお茶目な一面もあるよ。通報?そんなものを恐れていては海で遊ぶなんてできっこないだろう……。何かを始めるときは楽しまなくちゃあ(以下略)
ホルマジオはナンパ用ビーチでシニョリーナとひとときのアバンチュールに明け暮れているよ。
運動神経抜群+筋肉質+長身+爽やか+イケメンのビーチでのモテっぷりは異常。
「やぁーんマジオちゃんてばバレーじょうずぅ~~~」
「あぁんアタシもアタックされたいぃ~」
「だっはっはっしょ~~~がねえなぁあ~~~!いやあもうマジな話よ、上手なのはバレーだけじゃあねえぜー?」
『キャー!』
……これだからラテン男は。
イルーゾォはTシャツ&ハーフパンツを身につけて、海の家の畳と同化してるよ。だって太陽光と海風と海水浴と人混みが天敵だから。え?水着? それを きるなんて とんでもない!
畳にぺたっと座って窓枠にあごを乗せて、海を満喫している仲間の姿を眺めながらダラーっと過ごすもんだから、いつの間にか海の家のおばちゃんと仲良くなってたりする。というかバカンスに来てるのに死んだ目してるイルーゾォを気遣って、おばちゃんが積極的に話し掛けてるわけです。
あんた細いわねえー!若いんだからいっぱい食べなきゃダメよもう!とか言いながら焼きそばやかき氷の差し入れもガンガンしてくる。イルーゾォには天性のヒモの才能があるに違いない。
貰った焼きそばモグモグしながら、海の家が暇な時間帯なんかにちょっかいかけてくるおばちゃんとちょこちょこ話してて、話の流れで「仲間と来てるよ」って事まで話すイルーゾォ。窓から身を乗り出して、指さしながら教えてあげます。
「えっと……あのすごい勢いで泳いでる銀髪の人がリーダーで、あとは砂浜で走ってる変な天パと、ビーチバレーしてる金髪の……あ、今サーブ打ってたやつと、その隣の気が弱そうなやつ。あと、あそこの目つきの悪い二人組。あとその側で砂に埋まっ……て……る、…………変態ぽい奴は知りません。全然俺と関係ない人です。誰だあいつ」
メローネ乙。
「それから、その、……向こう側で、女の子たちと遊んでる、かっこいい人も、ともだちで……」
ぽそぽそ喋ってると、不意にこっちを向いたマジオが、目が合った事を知って全力で両手を振ってくるもんだから、あああもうッ!って顔真っ赤にしてずるずるへたり込むイルーゾォに焼きトウモロコシを食わせたいんですが構いませんねッ!(ガタッ)